週7日間、3シフト、5台のImpala

毎年の繁忙期は、プリンタにとっても従業員にとっても試金石となります。

CEWE Stiftung & Co. KGaA, ドイツ。ヨーロッパ最大の写真印刷会社も、2011年以降、大判プリントにおいてswissQprintを頼りにしています。ドイツ国内に2ヵ所あるCEWEの制作拠点ではImpalaプリンターが5台使われており、1週間休みなしの3交代制となるピーク時であっても、絶対的に信頼できるプリンターとして稼働しています

CEWE Portrait © swissQprint

CEWEはヨーロッパ最大の写真印刷会社で、14の制作拠点に従業員が3,800人います。2018年の総売上げは6億5,350万ユーロでした。総売上げの大部分はCEWEフォトブックからのもので、CEWEカレンダー、CEWEウォールアート、CEWEカードと共に人気の高い商品です。コンシューマー向け各種商品には、フォトギフトや、名入れ可能なさまざまなアイテム、懐かしい古い写真のプリントなどがあり、全てCEWEのウェブポータルや販売パートナー経由でオーダーできます。

CEWEウォールアート用Impala

大判プリントが商品ラインに加わったのは2011年からのことで、swissQprintのImpala大判プリンターの導入でCEWEが提供する商品の拡大が始まりました。キャンバスを手始めに、ほどなくポスター、その後はボードへの直接印刷へと広がりました。CEWEウォールアートの商品ラインの売上は大きく伸びており、現在では5台のImpalaプリンターがフル稼働しています。ユーザーは、自分の好きな写真を単独でもしくはコラージュとして、紙や発泡ボードなどに印刷できます。また、高級アクリルやギャラリープリント、自己吸着フィルム、キャンバス、ポスター、あるいは木の板までも選ぶことができます。規格サイズ以外も豊富で、10x15センチから100 × 150センチまでさまざまな形式があります。CEWEウォールアート商品ラインで最新のものはhexxasと呼ばれる商品です。六角形の発泡ボードで、サイズは2種類、さまざまなパッケージがあります。磁石で固定できるため、ユーザーは自分の作品を広々と並べたり、タイル状に並べ替えたりと、思うままに壁を飾ることができます。

CEWEの最適化のカルチャー

hexxasは、CEWEの社内発明フェアで受賞したことが始まりで、2018年に一般に初めて公開され、その後商品化されました。CEWEにおける発明と最適化のプロセスは慣行化しており、オンラインポータルや受発注ソフト、自動化が進んでいる内部ワークフローにも及んでいます。そのすべてが、オルデンブルクにあるCEWE本社に何百人といる情報技術系の社員の日常業務です。顧客満足が何より優先され、ユーザーからのフィードバックは改善プロセスへと直接取り込まれます。CEWEは、人間味ある信頼の文化を作り上げることに熱心なのです。オルデンブルクでCEWEウォールア

ートおよびギフト商品製造マネージャーを務めるジルケ・バイセル氏は、これらの価値を体現しています。勤続歴40年以上の彼女は、絶え間ない変化と共に突き進むべく担当業務で良い手本となり、全方位的なアプローチを取り続けています。

初のLEDプリンターがその価値を証明

オルデンブルクにある5台のImpalaの中で最も長く稼働したものが、2018年に新しいUVプリンターに切り替えられました。新しいUVプリンターは、LED技術やさまざまな機械的な改良が施されています。5台すべてのプリンターが、透明なメディアに印刷するためのホワイト・チャンネルを備えています。新しいLEDプリンターによる白色は、特別な

ヘッドを持つことで最適化されています。「30ピコリットルのヘッドがその実力を遺憾なく発揮しています」と、バイセル氏は熱心に語ります。標準の液滴は、印刷モードによって14もしくは9ピコリットルです。電力とインクの消

費を抑えて、印刷速度と品質(解像度、階調度、不透明度、演色性、色域)において優れていることがImpala LEDの基本的な強みで、実践でその能力を発揮しています。電力とインクの消費抑制の次により大きな強みになっているのが、オゾン排出ゼロと水銀含有物の不使用です。

CEWE Produktion © swissQprint

HexxasはCEWEウォールアートのラインアップで最新の商品。各々に印刷された六角形の発泡ボードを組み合わせて一つの大きなグラフィックを形成する。自在に追加・並び替えが可能。

CEWE Portrait © swissQprint

「Impala LEDでの作業は特に、オペレーターが喜んで取り組みますし、彼らも満足しています」とジルケ・バイセル氏。

完全自動化されたワークフロー

CEWEウォールアートの制作は、標準のメディアを基にしています。個々の注文は自動的に分類されグループ化されます。印刷後、Kongsbergで、最終的な形になるようにカットします。バイセル氏によると「基材を最大限に利用して、捨てる部分を最小限にすることが目的」だといいます。手動での操作は不要で、印刷前工程は自動ワークフローで対応します。プリンターから下流の作業も同様で、繰り返しの作業は可能な限り自動化された機械によって行われます。その一部は、CEWE社内の技術チームによって開発・構築されたものです。例えば、出荷部門へ送る前にポスターを筒状に巻いてスリーブで包む機器などです。

オペレーターの意欲向上

swissQprintの機械ではオペレーターの手を要する作業もまだ当然あります。彼らはその仕事に大きな喜びを感じています。オペレーターにやさしく、使いやすいプリンターだからです。バイセル氏もそのことを十分認識しています。「Impala LEDでの作業は特に、オペレーターが喜んで取り組みますし、彼らも満足しています」。新しいプリンターによって職場に明らかな改善がもたらされています。オルデンブルクにいる社員6名がswissQprintの機械を使うために訓練されています。「交代で担当することで飽きることなく、注意力を高く保ったまま、エラー率を低く抑えることができるのです」(バイセル氏)。

年末繁忙期に処理能力を証明

11月から12月にかけてが繁忙期で、この時期は工場全体がクリスマス前の注文ラッシュに対応すべく突っ走っている状態のため、毎年のことながら機械的にも人員的にも自身の能力を発揮しなければならない時です。それは、この時期の6~8週間は休暇取得を凍結、現場の人員を倍に増やし、3交代制にして、さらに12月には週末も稼働することを意味します。

信頼性は決定的な基準

繁忙期に受ける注文は、通常期の4~5倍のレベルになります。特にこの時期は、すべてが順調に稼働しなければなりません。バイセル氏は「無駄にした日を埋め合わせることはできません」と強調します。

社内の技術者が待機し、swissQprint側の技術者も同様に呼び出しにすぐに対応できるようにしています。「幸いなことに、これまでのところは何事も起きていません。5台のプリンターの信頼性は絶対的です」と、バイセル氏は語ります。これは、CEWEがswissQprintを使い続けることを決めているもう一つの理由でもあります。

cewe © swissQprint
会社名
CEWE Stiftung & Co. KGaA
ドイツ、オルデンブルク・
ゲルメリング(ミュンヘン近郊)・
フライブルク・メンヒェングラートバッハ
ウェブサイト
業種
写真印刷
創業
1961
従業員数
ヨーロッパ全体=3800人、オルデンブルク=1100 人
プリンター
4 × Impala / 1 × Impala LED
主要顧客
Amazon, BIPA, Carrefour, Mediamarkt, Migros, Saturnなどによる一
般顧客向け大判写真印刷